燃調コントローラー
A'PEXi S-AFC


RC45に乗り始めた頃から、 この”ドッカン”インジェクションはなんとかならないものかと悩んでいました。 渋滞など低速でのアクセルオン・オフはギクシャクとかなりひどく、 峠の低速コーナーでもハーフスロットルが難しくて ビビリモードで走るしかありませんでした。 (まぁ半クラでなんとかならないことはないんですけど...)  そんなとき WithMe のバイク用インジェクションコントローラー「 FAL.CON 」の話を聞き、 ドン付きがかなり解消されたというので購入を考えることにしました。
しかし58,000円はちょっと高すぎます。 まずはどんなものかと調べてみるとどうやら中身は A'PEXi の汎用品であるらしい。そしてこんな物を見つけてしまった。→ S-AFC  これってFAL.CONとそっくりじゃないですかっ!!!o(@_@)o さらに定価は34,800円と2万円以上安いし、 オークションを検索してみるとたくさん出品されていて2万円前後で落札されています。 この値段なら買うしかないでしょう(^_^)b ということでさらに調べていくと配線する信号線も同じ、機能や表示も同じ、 ただひとつ回転数の上限が FAL.CONは17,000rpmに対して S-AFCは9,000rpmという点が違うようです。 これは回転数表示を半分にすれば18,000rpmまで対応できるだろうと考え、 オークションでS-AFCの新品を18,000円でゲットしました。
品物が届き説明書を見ると...説明書までFAL.CONと同じ...(^^; FAL.CONがS-AFCと同じと言うべきか(笑) ECUとの接続方法が少し違いますがこれは本体内部の結線を変えているだけでしょう。


FAL.CONやS-AFCの仕組みは 給気センサーの信号を補正してガソリン噴射料を増減するというものです。 つまり空気の量が実際よりも多い(少ない)ようにECUに偽の情報を流し、 ECUは純正マップと照らし合わせてその分多め(少なめ)にガソリンを噴射します。 燃料マップを直接書き換えているわけではないので誤解しないでください。 点火時期の変更はできませんが、 空気量を変えたことでマップに従って間接的に変更される可能性はあります。

配線図

ECUから出ているハーネスのテープを10cmほどはがします。 配線の分岐にはエレクトロタップは接触不良の原因になるので、 使わない方がいいということでスプライスが付属されているんですが、 大きすぎて余計接触不良になりそうな... そういうわけでギボシの先端をちょん切って根本の部分を使いました。 配線の途中の被覆を剥がし、分岐するコードをねじって 細い方で銅線部分を太い方で2本のコードをカシメれば完璧です。 分岐部分に別のコードをとギボシを使えば、 すべての配線が楽に取り外せるのでいいかもしれません。 配線用絶縁テープ(カー用品店に300円ぐらいで売っています)で元通りに巻いてできあがり。 ビニールテープは熱でベタベタになるので使わないほうがいいでしょう。

ここでひとつ問題が... RC45は前バンクと後バンクで2つの給気圧センサーが付いています。 S-AFCには吸気センサーの入力が2つあるのですが、 これはホットワイヤー式のみ対応でRC45のような圧力式の場合 は入力は1つになってしまいます。 前後の給気圧センサーを接続すれば 一応それぞれの信号電圧は画面で確認できるのですが、 吸気圧の表示が動かなくなってしまいます。 そこで仕方なくFAL.CONの配線方法を参考に、 前バンクのセンサーは使用せずに後バンクのセンサーのみ接続しました。 後バンクの信号を補正して 同じ補正値を前バンク・後バンク両方に出力していることになります。
前後の信号電圧を確認するとアイドリング時は同じですが、 回転数が上がるにつれて後バンクの方が信号が大きくなっていきます。 つまり後バンクの給気圧センサーだけの接続では、 前バンクはノーマル時より濃い目になっていることになります。 これは何とか解決する必要がありますが、 FAL.CONもそうなっているのだから心配するほどのことでもないのでしょうか?

RC45初期設定
センサータイプPressure
センサーNo.IN:06/OUT:06
気筒数2 (4ではない)
スロットルタイプ上向き

通常の使用方法では9000rpm (それ以上の回転数は9000rpmの補正値が適用される) までしかセッティングできません。 町乗りでは高回転まで回すこともないのでこれで十分なんですが、 気筒数の設定を4にすることで回転数の表示が半分になります。 半分の表示で1000〜9000rpm、つまり実際の回転数は 2000〜18000rpmまで1000rpmきざみで設定することができ高回転にも対応できますが、 表示が半分なのでセッティングを間違えないようにする必要があります。 FAL.CONは1000〜17000rpmまで1000rpmきざみで設定できます。 おそらくS-AFCの1000〜9000rpmを500〜8500rpmに変えて 2倍になっているのではないでしょうか。

補正マップ
(マップというほどたいした物ではないですが...)
 【Ne-Point】Ne1Ne2Ne3Ne4Ne5Ne6Ne7Ne8
【Th-Point】1000rpm2000rpm3000rpm4000rpm5000rpm6000rpm7000rpm8000rpm
(Hi) 70%【Hi-Thrtl】±0%±0%±0%±0%±0%±0%±0%±0%
(Lo) 30%【Lo-Thrtl】±0%±0%±0%±0%±0%±0%±0%±0%
赤字が変更可能。 設定したポイント以外はその前後の値から自動的に直線補間されます。
 【Th-Point】スロットル全閉が0%、全開が100%で1%刻み
 【Ne-Point】1000〜9000rpmまで500rpm刻み
 【 補正値 】−50%〜+50%まで1%刻み

セッティングは画面の棒グラフを見ながらできるので非常にわかりやすいです。 (注:この値はデタラメです。)
モニターには給気圧、スロットル開度、回転数、補正値から任意の1〜4個を デジタル、アナログ(2個まで)、グラフで表示可能。 このほかに、ピークホールド機能、グラフのメモリー・リプレイ機能、 2次元トレース機能などがあります。

取り付けが終わってさっそくテスト走行です。 まずはすべて補正0%で問題がないことを確認。 次にスロットルLoの低回転域を−5%にして走ってみました。 スタートも滑らか、低速でアクセルオン・オフを繰り返しても 今までのようなギクシャクした感じはかなり解消されています。 この変化には驚きました。 さらに−10%にすると、今度はトルク感がなくなってスタートでエンスト(恥)  スロットルLo側はドンツキを抑えるために薄めに、 Hi側は濃い目にという方向でセッティングすればいいようです。 じっくりやっていきたいと思います。
セッティングの変更は信号待ちなどで簡単にできるので非常に便利です。 それから防水対策をしないと故障の原因となってしまいます。 私はパッケージなどに使われている 透明の軟らかいプラ板でカバーを作りました。 本体との隙間はシリコンなどでふさげばいいでしょう。 これならカバーの上からボタンの操作もできます。 それにしても昼間は明るくて画面が見えにくいのがちょっと不便。 覆いでも作ってみます。


今回、FAL.CONがS-AFCと同じではないか!? ということから始まった人柱計画でしたが、 何のトラブルもなく無事に取り付けることができました。 失敗すればECU交換、最悪エンジンブローにもなりかねません。 バイクのインジェクションコントローラーでは有名な DynojetPower Commander も、本体はどの車種用も同じで配線さえわかれば使えるそうです。 (RC45用はなく、今後も発売の予定はないそうです。) 車用のこの手の燃調コントローラーはいろいろ売られています。 今までバイクだからと特別に考えてましたが、 結局のところインジェクションなら仕組みは車と同じですから、 市販のコントローラーはどれも取り付け可能じゃないかと思います。 お決まりのセリフですが取り付け・使用は自己責任でお願いします。


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